2014年7月29日火曜日

北米のガーデニング

聞き手Y:山口
受け手M:モントリオールJCPデザイン増本氏



Y: 北米の住宅が美しく見えるのは、建物が立派だからというだけではありませんよね。
   綺麗に手入れされた芝生や植栽が、建物をより美しく見せるのだと思います。
   そう思うと、みなさん、お庭の管理が上手なのですね~。
     お庭が綺麗だとお家の価値も高くなるのではないでしょうか。
     北米の方たちのガーデニングについて教えていただけませんか。


M:  モントリオール市では、Borough(自治行政区;現在のモントリオール市は周辺の市を
   統合したため昔の市をBoroughと呼んでいます)ごとに、独自のBylaws(条例)を
   定めており、植栽が綺麗なのは、外構についてもそれぞれルールがあるからです。


Y:  個人の所有するお庭に対してもルールがあるということですね。


M:  そうです。私の住んでいるSaintLaurent区を例にお話しします。
     例えば、芝生の長さは15cm以上長くならないように。それ以上ほおっておくと、
     CityHall(市役所)から早く芝生を刈るように督促状が来ます。実は、
     我が家も1回通知が来て慌てて刈りました。多分ご近所の誰かさんがCityHallの
     窓口にクレームを出したのだと思います。
 


Y:  芝生が伸びているからクレームがくるなんて、日本では考えられませんね。


M:  その他には、塀の高さも1.8m以下と決められています。フロントは防犯のため、
     1m以下です。生垣の場合はフロントヤードは1.5m以下、それ以外は2.4m以下、
    バックヤードは2.7mもOKです。また、歩道から1.5m下がって植えることも
    決められています。また、街によっては、ガレージの場所や、雪よけの用のテント
    の許可や、サテライトディッシュ(衛星用アンテナ)の取付位置など、色々細かく
    定められています。

    昌子さんのブログより
 

Y: だから、お庭が美しいのですね。


M: 夏は、美しさを保つために、毎週芝生や生垣を刈らなければいけませんので、
    かなり体力(腕力)が必要になります。庭師に依頼する方法もありますが、
    大抵の手入れは、その家のご主人の仕事です。ただ、管理するだけでなく、
    お花をきれいに飾ったお家は、秋に表彰されるので、それを楽しみにしている方も
    多いですね。


 

Y: それほど、フロントヤードの美しさは重要だということですね。
    手入れが行き届いている街、その街に住んでいることがステイタスであり、また、
    その家の価値を決めるということなのでしょうね。しかし、ガーデニングが、
    好きでないとなかなかできませんよね?
 
 
M: 夏の初めに、スーパーマーケットのパーキング場にもガーデニングコーナーが
    できるくらいですから、みなさん、長い冬が終わり早くお花の咲くのを待ちきれない
    のだと思います。ただし、フロントヤードのお花をよく見ると、ガードナーに
    手入れをしてもらうような毎年咲くPerennial(多年生の植物)よりも毎年
    取り替えるAnnual(1年生植物)を鉢植えにして庭先に飾る人の方が多いようです。
    土に植えるものも、Annualを夏の初めに買ってきて土に植え替え、夏の間楽しんで、
    冬の初めに抜いて片付けるという簡単なものがほとんどだと思います。
 
 
Y: 簡単とはいえ、毎年花の植え替えをされることに、感銘を受けました。
 
  昌子さんのブログより
  



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