聞き手T:高原
受け手M:モントリオールJCPデザイン増本氏
T:北米では中古の住宅が値下がりしない上に、取引数量も新築の2倍程度だそうですけ
れど、実際はどうですか?私達日本では考えられないので、その秘訣というか社会通
念の違いなどを教えてもらえないでしょうか。
れど、実際はどうですか?私達日本では考えられないので、その秘訣というか社会通
念の違いなどを教えてもらえないでしょうか。
M:実際に既存住宅の取引数量はカナダでは新築の2.5倍、アメリカでは3倍です。
まず、このお話は社会通念のことから入りましょう。
第一印象で「中古住宅またはUsed house」という呼び方の違いを感じます。こちらでは「Resale house」です。それは購入してすぐ転売されるものから改装してから転売されるものなど、いろいろです。もちろん、値下がりはありません。
ちなみに新築住宅は「New house」です。
T:なるほど、“古くなった家”ではないのですね。
M:いきなり話が飛びますが、私の住んでいるカナダではある銀行の調査で20才から80才
までに平均5回持家を変えるとあります。ざっくり均等に分割すると12年に1回転
売するので、家が古くなる前に出て行ってしまいます。そこに家の寿命ということが
意識に無いわけです。前述の期間中に賃貸での引っ越しは入りませんから、なおさら
かも知れませんね
T:日本人は一生に多くても2回の建て替えですから、家が古くなっていく過程は当然味わいますね。いろいろなところが痛んできますし、デザインも古くなってきます。転居は賃貸アパートでは数回ありますが、持家戸建ては住まいの集大成ですから、それからの転居は少ないですね。だから日本の中古住宅の市場規模は新築の2割にも満たないのも頷けますよ。しかしカナダでも、家は経年すれば痛んできますよね。
M:その通りです。カナダでもメンテンスをしなければ同じです。新築時のそのままであれば、毎年1%の価値ダウンになります。ところがカナダ人はメンテナンスフィー(維持・手入れ費)を家計に予算化して、常に維持改装に充てているから、家は古くなりません。修理が必要な時ではなくて、休暇が取れるとき、労務賃金が安くなる時期、資材価格が安くなった時などに予算をあてます。
T:やはりメンテナンスで、転売の時に住宅価値を下げないように努力しているのですね。
日本では転売する訳ではないので、メンテナンスは積極的ではありません。当然、10年程したら新築価格50%というのも物理的に少し理解できますね。
さて、この中古住宅事情いや失礼しました“Resale house”はもう少し質問しなくては輪郭が解りにくいので、今回はこれで一区切りにして、次回も同じテーマで継続さ
せてください。
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